『ガールズ&パンツァー 最終章』第4話ドルビーアトモス版体験レポート!「ドルビーアトモス版はいいぞ!」

『ガールズ&パンツァー 最終章』第4話が上映される前の10月某所で粉われた先行上映会。音響監督の岩浪美和さん、CG監督の柳野啓一郎さんを迎え行われた。実はドルビーアトモス版での上映ということで、従来のドルビーサラウンドとの違いなどが語られた。ドルビーアトモスは良いぞ!

 

脳が素直に情報を補完してくれるドルビーアトモスの魅力とは?

『ガールズ&パンツァー 最終章』第4話ドルビーアトモス版先行上映会にいった際の感想、並びに音響のシステム的な違い、そして音響監督の岩浪美和さん、CG監督の柳野啓一郎さんによるトークの一部を紹介していく。昨今はオンデマンド配信も増え自宅にいながら作品を鑑賞できる環境が身近になっているが、映画館ならではの環境といえば音響の違いだろう。ドルビーサラウンドは5.1chは前に3つ、.1が一つ、後ろ左右に2つスピーカーを設置。それに対してドルビーアトモスはチャネルの概念がなく、映画館の空間をX軸Y軸Z軸それぞれ1000分割し10億個の空間を作成。その空間1つ1つに音が出るような制御を前後天井と仕込んだスピーカーを使い音を出す、との事だ。その為「音が動く」「音が想定する音源から発生されて耳に届く」ように聞こえる。実際に聞き比べると、映像に合わせて右後方若干上部の崖の上から発射された砲弾の音は、それが聞こえてくるであろう位置から音が出ることで臨場感がさらに増す、との事だ。正直、聞き比べをして体感したが、理屈よりも映像に集中できる点がドルビーアトモス版のメリットだろ感じた。耳に入る音の位置情報を脳が素直に処理を行うため、映像に違和感なく没入できる。違いは聞き比べれば分かるが、ドルビーアトモス版だから違いが分かるかといえば分からない事自体が「視聴者が感じる自然な音響である」事の査証となるだろう。

ドルビーアトモスの魅力はさておき、今回音響監督の岩浪美和さんからドルビーアトモスの導入に対する今までの苦難が語られた。特にドルビーアトモスの導入にはスマホ等で見れる映画と映画館の差別化、映画館の魅力の強化を強く見据えていたようだ。岩浪監督はゼロ・グラビティを見てドルビーアトモスが今後重要になると気づき、これを日本のアニメでも出来ないかと働きかけ、ガルパン劇場版がヒットし立川シネマシティでの極上爆音上映で音の為に映画館に行く、という文化が出来てきたのではないか、と語った。そして、今回の『ガールズ&パンツァー 最終章』第4話は岩浪監督11作目のドルビーアトモス作品となるとの事だ。

続いてCG監督の柳野啓一郎さんが登場し、第4話の魅力を語った。岩浪監督からは「やりすぎじゃない!?」と柳野監督へのコメントには、コンテからCGに一回柳野監督が置き換えてブラッシュアップして作品を創ると告白。ラフコンテと比較すると大分変っているとの事だ。しかしながら、戦車の細かい動き、撃破しに向かうキャラクターの心理を考えると、生きている人がいると考えると勝手に出来上がってしまう、と柳野監督は語った。色々と細部には手を入れているということで、何度か見て欲しい。また今回の映画ではアクションパートというべき戦闘シーンがかなりの部分を占めている為、映像の密度に合わせた理解度を深めるための音響を心がけた、とは岩浪監督。映像としては、CGによって表現の幅が広がったのが面白い映像になったのではないか、とは柳野監督。これは映画を見てそのカメラワークとドルビーアトモスの音の移動を感じてほしい。

最後に岩浪監督からは「(ドルビー)アトモスはいいぞ!」のコメントを頂いた。本当にドルビーアトモスは体験すると映画に没入できるので、是非ドルビーアトモス版の映画館で見てほしい。

 

【作品情報】
■タイトル:『ガールズ&パンツァー 最終章』第4話
■上映開始:2023年10月6日より
■公式サイト:https://girls-und-panzer-finale.jp/