有明防災フェアに行ってきた!

zp_P81602472015年8月14日〜16日の3日間開催されていた第二回有明防災フェアはご存知だっただろうか? コミックマーケットの会場の隣で開催中だったこちらの防災の祭典を堪能してきたので、その特殊車両等の様子をおつたえしよう!

 

特別な車両が多数展示!

有明防災フェアは今回で第二回目の開催となる、お台場の先の有明防災公園を会場とした防災を目的にした展示会だ。ちゃんとツイッターアカウント(@bosai_fair)もある。最終日の16日は朝からあいにくの曇り模様だったが、会場と尋ねてみた。

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この看板を目印に右へ進んで行く。東ホールの真ん中あたりの位置に入口がある。

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会場は少し早かったのか人はまばら。それでも小学生らしき一団がいたりと賑やかな感じで盛り上がっていた。

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今回の有明防災フェアの楽しみどころは3つ。一つ目はスタンプラリー! 各ブースを回ってスタンプ(?)を押してもらうと入口に貼ってあったポスター2種類が貰える、というものだ。さらには各スタンプコーナーでその展示内容に合わせた粗品やパンフなどを貰える。

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2つ目は今回紹介する特殊車両の数々だ。東京地本(陸上自衛隊)、赤十字、国士舘大学、航空自衛隊、東京消防庁の防災、救命に関わる車両が展示されている。一部は実演や体験なども行われていた。

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三つ目はAED使用の体験コーナーだろう。普段使うことが無いのでいざという時に困ってしまうのがこのAEDだ。擬似体験ではあるが一度体験しておくことで何かの助けになるかもしれない。こちらの体験がスタンプラリーの項目に加えられているのもよく考えられたイベントだ。

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それでは早速会場を見ていこう。

 

車両展示コーナーをじっくり観察!

最初はやはり特殊車両をじっくりと見ていきたい。会場で一際大きく目立つのがこちらの「救難消防車II型」だ。航空自衛隊の第七航空団に所属している模様。

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それでは一周ぐるっと回ってみよう。

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タイヤだけでも子供の身長ほどの大きさで特殊車両ならではのワクワク感を感じてしまう。実際には活躍しないほうが良い車両ではあるが、準備されていることが心強い。続いては東京地方協力本部の展示となった「軽装甲機動車」と「高機動車」だ。アニメGATEのポスターを使った自衛隊員募集を見ているため、「アニメで見たあの車両!?」となってしまった。

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まずは「軽装甲機動車」からだ。

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細部を幾つか撮影してみた。まずはボンネットの上の塗装面。このボコボコ感がわかるだろうか?

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そして窓は小さめ&分厚そう。

zp_P8160274製造は小松製作所。

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次は「高機動車」を見ていこう。こちらはアニメ「GATE」では室内の描写があったりする車両だ。

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運転席付近は非常に簡素な構造。zp_P8160264

後ろから見るとトラックの荷台を彷彿とさせる。zp_P8160257 zp_P8160259 zp_P8160261

屋根部分は幌になっていて窓ガラスではなくビニールのようなものをファスナーで開け閉めするようだ。そして防災という意味では欠かせないのが食事。その食事を提供するための設備も今回展示されていた。

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やっぱり食事施設は気になるのか多くの人が説明を聞いていた模様。zp_P8160254

さて、身近でお世話になる機会が多いのは消防庁や赤十字の車両だろう。まずは赤十字の「緊急指定トラック」。トラックなので資材搬送がメインの利用手段なのだがいざという時のために緊急車両指定も受けているのが特徴。

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こちらは消防庁の救急車両「ドクターカー」だ。外見は救急車と見分けがつかない。

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救急車両の続いては災害時に活躍する特殊車両が並んでいた。最初は「大型ブロアー車」。送風に特化した車両でトンネル災害などで活躍するようだ。

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この大きなファンがとてつもない風を発生させる。zp_P8160076

こちらは「双腕重機」。右と左に異なる器具を装備し、障害物の切断、除去を同時に行えるのが特徴だ。

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ちょうどタイミングよく実演中を撮影できたので紹介しよう。かなり細かな動きができるのがわかるだろう。

 

そして、重要な車両になるのがこちらの「重機運搬車」だ。先ほどの双腕重機など無限軌道の車両などはこちらの車両に搭載した上で災害現場近くまで搬送することになる。

zp_P8160130 zp_P8160128 zp_P8160126防災イベントといえば必ず見かけるのがこちらの地震体験車両だ。今回は直下型地震を想定していたのか、縦揺れの後に横揺れが続く地震がシュミレートされていた模様だ。

zp_P8160133最後を飾るのは日本にまだ2両しか存在しない「機動衛生ユニット」だ。現在3両目を計画中と言われるこちらの車両、詳しく話しが聞けたのでじっくり紹介していこう。

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空飛ぶ緊急救命室!

こちらの「機動衛生ユニット」だが、最大3名の負傷者を救命救護しつつ搬送できるユニットだ。現時点で日本にまだ2両しかなく、現在3両目が計画中、との事だ。

zp_P8160149活躍事例はパネルで説明があったのでそちらを見ていこう。

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さて実物を見ていこう。

zp_P8160247今回は現場で確認したところ内部撮影OKを頂いたので撮影してきた。まずはベッド周辺は狭い空間に様々な機器が設置できるようになっている。奥に見えるグレーのカーテンは後で説明をするが防磁カーテンだ。

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ベッド上部には救急救命に必要な機器のほか、通信機器なども設置されている模様。

zp_P8160243 zp_P8160239ベッド周りには救命救急に必要な最低限の機器が準備されている。

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こちらのユニットだが、医療機器の電磁波と航空機で使用する電磁波が干渉を起こさないようにシールドが施されている、とのことだ。また航空機内では騒音が酷いので防音対策もなされているとのこと。その為、扉などはご覧の通り重厚な造りになっている。

zp_P8160249このユニット、離島など救命救急が厳しい場所から施設の揃った病院近くの空港まで航空機で素早く輸送するのが目的となっている。3両目が計画されているが、予算等の確保が難しいのだろうか? こういう設備は運営体制と共に十分とは行かないまでも必要な予算はつけて欲しいものだ。

 

救命・防災機材などの紹介

今度は各テントで紹介されていた展示を見ていこう。まずは東京地方協力本部には、災害時に瓦礫等を破砕するための器具が展示されていた。実際に触ることも可能なので持ち上げてみると、どれも重い!

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これらの機器だが全て人力で動作する。電源が不要な為、人が居れば使うことができるようになっているのがよく考えられている。災害時に電源があるとは限らない。もちろん電波も届くとは限らない。そういう「あたりまえ」の想定で準備されているのは流石だ。市町村の役場レベルだと緊急時に「携帯電話で連絡」などという事を言うが、実際には輻輳(ふくそう)や通信施設の故障などを想定するとあまり全うな想定ではないのだが、よく聞く話となっている。それはさておき、まずはこの破砕器具を見ていこう。

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右に見える黒い筒状の機器が手動で打撃を与え、左側に並ぶパーツが取替式で状況に合わせて形状を付け替えることができるアタッチメントとなっている。黒い筒状の部分を持ち、その上部にある銀色の持ち手部分を持ち上げて手を離すと自然落下で落ち、その落下を利用して打撃を与える機材だ。こちらは切断をする機材だが、もちろん手動で人力により使用する。都市型災害では転勤コンクリートが障害となることが多いと思われるが、その鉄筋等を切断するのに使用できそうな印象だ。

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こんどは国士舘大学のテントを見てみると、マラソン等のイベント時に活躍する救命救急機器の展示がされていた。

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同じものが4つあるように見えるが、実際には2つで1セット、2種類のバッグで構成されていてイベント時は2人で1チームを組み緊急時に対応するということだ。

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こちらの展示は東京消防庁の地震に対する備えのパネル。家具等の固定などの重要性がわかるようになっている。

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また車両展示の脇では消防服の装着体験コーナーもあり、総重量を感じつつ消火活動を行う凄さに改めて感謝してしまった。

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またスタンプラリーのポイントにもなっていた国士舘大学ではAEDの簡単な講習を行っていて、講習終了後にスタンプが貰える仕組みとなっていた。実際に使う機会が無いととまどってしまうであろうAEDの講習は非常に有意義だった。

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その他テントや展示をご紹介

会場のテントや展示の様子をお伝えしていこう。まずは、赤十字のテントでは赤十字活動のパネル展示のほか、ハートラちゃんが登場し大人気の様子だった。

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zp_P8160209こちらは備蓄用の水の展示販売コーナー。萌え絵入りの水などコミケ会場に近いこともあり色々と面白い試みがされていた。5年保存可能な萌え絵入り水、いざという時に萌えグッズがあなたを救うかも?

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他にも除菌等、災害時には必要な感染病対策も展示販売中だった。こちらは金属イオンで除菌する試薬の紹介販売のパネルだ。

zp_P8160207他には海上自衛隊の巨大タペストリーがあったり、アニメ「GATE」のポスターがあったりパネルがあったり、スタンプラリーに興じたりして楽しくイベントを堪能してしまった。

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zp_P8160184【イベント情報】
■イベント名:第2回 有明防災フェア
■開催時期:2015年8月14日(金)〜16日(日)※すでに終了しました。
■主催:一般社団法人 DSC/コミケット
■後援:内閣府、国土交通省、東京都、江東区、港区、豊島区、日本赤十字社東京都支部
■協力:防衛相・自衛隊東京地方協力本部、東京消防庁、日本DMAT、国立研究開発法人、防災科学技術研究所、杏林大学、国士舘大学、ほか
■Twitter:@bosai_fair

また、観艦式の日程があったので掲載しておく。

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【観艦式概要】
■イベント名:観艦式
■応募期間:2015年8月1日〜31日
■応募要項:http://www.mod.go.jp/msdf/formal/kankan/2015/event/index.html
■サイト:http://www.mod.go.jp/msdf/
■問合せ先:防衛省 海上自衛隊 横須賀地方総監部 観艦式支援室
TEL:046-822-3520/8:00〜19:00(平日のみ)