『大哺乳類展2×海獣の子供』スペシャルトークイベントが国立科学博物館で開催!


2019年6月7日(金)に公開予定となっている『海獣の子供』。今回は上野の国立科学博物館で2019年3月21日から6月16日まで開催中の「大哺乳類展2」とのコラボイベントという事で、閉館した後の科学博物館の講堂で開催された。

 

「大哺乳類展2」と「海獣の子供」の気になるポイントは?

2019年6月7日(金)に公開予定の『海獣の子供』のコラボイベントが上野の国立科学博物館で開催された。当日は閉館後の入場門に18時ごろから招待券を手にしたファンらが行列を作り、スペシャルトークイベントの開場を待ちわびていた。今回のスペシャルトークイベントは、現在国立科学博物館で開催中の「大哺乳類展2」の監修者の1人でもある田島木綿子氏を招き、原作者の五十嵐大介氏、そして監督の渡辺歩氏の3名が登壇してのトークショーとなった。夜静まり返る館内の講堂で講義を受ける前の学生のように待っている姿が日常とは異なりトークイベントがワクワクしてしまう。

さて、始まったスペシャルトークイベント。最初に予告編が流れその迫力に会場が一瞬飲み込まれた。そのステージに原作者の五十嵐大介氏、監督の渡辺歩氏、そして国立科学博物館動物研究部脊椎動物研究グループ研究主幹の田島木綿子氏の3名が登壇した。海の哺乳類と海獣という事で「海の哺乳類=海獣」という定義の確認から始まったトークショー。作品が出来たきっかけという話では、魚の図鑑を見て絵を描いているうちに女の子を描いた時に作品のイメージが出てきた、と作品誕生のきっかけが語られた。初期は「フィッシュガール」と呼んでいたが、ジュゴンなども出てくる中で「海獣」という単語から「海獣の子供」というタイトルになった、との話も。

ジュゴンの話題が出たところで、作品の海獣に関するシーンがいくつか映し出された。その大迫力のシーンはぜひ映画館で堪能してほしいのだが、そのシーンの中でも研究者としての視点から田島氏が解説を行い会場は「納得!」といった雰囲気に。詳細なシーンでも研究者を唸らせる魅力的な仕上がりになっているようだ。いくつか実際とは正しくない部分があるとのことを田島氏は語ったが、作品を純粋に楽しむ1ファンとしては「納得」の演出、との話もあった。

そんな実際とアニメとの差も見るのが楽しいのだが、今回開催の「大哺乳類展2」では哺乳類に焦点を当てて様々な展示が行われている。特に大量の剥製が並ぶ展示は圧巻の一言。

連休中にはぜひ訪ねてほしい展示だ。田島氏、そして監督の渡辺氏も絶賛の展示会場の最後の方の展示は主としての根元に関わる大事な部分で有り、でも日常ではなかなか語られない部分とのことでしっかりと展示から感じてほしいようだった。

五十嵐氏が「作品中で気になったところがあります?」と田島氏に質問をすると「いろいろありますが」と前置きで会場が笑いに包まれるシーンも。またシロナガスクジラのシーンでは「目をじーっと見る」ところは実際にもそのような事を行う、と田島氏が説明。さらには目の位置から前を見るには前方下へ視点を向けるようにしなければならない話など、田島氏も場に慣れてくると研究者の気質が出てくるのか、アニメと実際の違いや同じ部分などを熱く語っていた。

映像化不可能作品と言われていた本作品を映像化した監督への質問では、ハードルは高いなと思いつつチャレンジしてみた、と告白。色は五十嵐先生のカラー原稿を元に実際のものと照らし合わせて「それらしくみえる」色を付けていったと語られた。また制作には5年もの時間をかけたという話も。また、映画はルカにフォーカスしてストーリーを組んでいる点が原作と違うが、それは海の神秘性や全部のストーリが(原作の全部に話が)入らないのも含めて、今回はこの形での作品となった、とのことだ。

五十嵐氏も渡辺氏も、タイトルが同じ「海獣の子供」だが映像表現ならではの表現もあるので、タネは同じだが別々の作品を作った、兄弟作品的な位置付けと思っている、と話していた。

最後は会場からの質問で締められた。いくつか質問が出たが、五十嵐氏に対する作人い感する質問や渡辺氏にたいしてのストーリーに感する質問などが行われた。最後にサイン入り非売品ポスターと、サイン入り展示会図録がそれぞれ1名様にプレゼントされた。「海獣の子供」と「大哺乳類展2」、実際と創作、リアルとアニメといった違いがまさに楽しさの一つであり、アニメの世界観をさらに楽しむためにも事実を知っておく、というのはきっと有意義なはずだ。そんな「大哺乳類展2」は2019年3月21日〜6月16日まで開催中だ。そして「海獣の子供」は2019年6月7日に公開予定となっているので、公開日まで楽しみに待っていよう!

 

≪登壇者プロフィール≫

  • 原作/五十嵐大介
    1969年生まれ。1993年、「月刊アフタヌーン」(講談社)にて四季大賞を受賞し、デビュー。主な作品として文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞を受賞した『魔女』や、小説家・伊坂幸太郎氏との競作描き下ろし作品『SARU』(小学館)などがある。2002~05年の『リトル・フォレスト』(講談社)は日本と韓国で実写映画化された。2009年には、初の長編作品『海獣の子供』で日本漫画家協会賞優秀賞を受賞。最新作は『ディザインズ』(講談社/2019年、完結巻発 売予定)。
  • 監督/渡辺 歩
    1966 年生まれ。86年にスタジオメイツに入社、同社で原画デビュー。88年にシンエイ動画へ移り、TVシリーズ「ドラえもん」で原画・作画監督・演出など多岐にわたって活躍。劇場短編『おばあちゃんの思い出』(00)、劇場長編『ドラえもん のび太の恐竜 2006』(06)などを監督し、2011年よりフリーに。その後はTVシリーズ「謎の彼女X」(12)、「団地ともお」(12~15)、「彼女がフラグをおられたら」(14)、「宇宙兄弟」(12~14)、「逆転裁判 ~その『真実』、異議あり!~」(16)など、精力的に監督作を発表。18年には「恋は雨上がりのように」「グラゼニ」「メジャーセカンド」と、監督を務めたTVシリーズが3本も放映された。本作は4本目の劇場長編となる。
  • 「大哺乳類展2—みんなの生き残り作戦」の監修/田島木綿子
    獣医学博士。国立科学博物館 動物研究部 脊椎動物研究グループ研究主幹。進化の過程で完全に後肢が退化したイルカ・クジラが、後肢が退化したことで周囲構造はどのように変化しているのか、どこまで哺乳類の一般型を維持しているのか、などを比較形態学的に研究。また、国内で年間300件以上の報告があるストランディング個体を調査し、なぜ海岸に打ち上がるのか、という謎を病気という観点から解き明かしている。

 

≪『海獣の子供』×「大哺乳類展2」スペシャルトークイベント 概要≫

【イベント名】
アートから見る“海獣”たち!『海獣の子供』×「大哺乳類展 2」スペシャルトークイベント
【日程】2019年4月17日(水)
【時間】国立科学博物館閉館後 19:30〜
【場所】国立科学博物館 日本館2階 講堂(東京都台東区上野公園 7-20)
【登壇者】
・五十嵐大介(漫画「海獣の子供」原作者)
・渡辺 歩(映画『海獣の子供』監督)
・田島木綿子(国立科学博物館動物研究部脊椎動物研究グループ研究主幹)
【料 金】無料


【「大哺乳類展 2-みんなの生き残り作戦」概要】
■会期:2019年3月21日(木・祝)〜6月16日(日)
■会場:国立科学博物館(東京・上野公園)
■開館時間:午前9時〜午後5時(金曜・土曜は午後8時まで)
※ただし、4月28日(日)〜5月5日(日・祝)は午後8時まで、5月6日(月・休)は午後6時まで
※入場は各閉館時刻の30分前まで
■休館日:月曜日および 5月7日(火)
※ただし、3月25日(月)、4月1日(月)、4月29日(月・祝)、5月6日(月・休)、6月10日(月)は開館
■料金:
・一般・大学生:1,600円
・小・中・高校生:600円 他
■主催:国立科学博物館、朝日新聞社、TBS、BS-TBS
■問い合わせ:03-5777-8600(ハローダイヤル)


【映画 作品概要】
■タイトル:『海獣の子供』
■公開表記:2019年6月7日(金)全国ロードショー
■原作:五十嵐大介「海獣の子供」(小学館 IKKICOMIX 刊)
■キャスト:芦田愛菜、石橋陽彩、浦上晟周、森崎ウィン、稲垣吾郎、蒼井優、渡辺徹、田中泯、富司純子
■スタッフ:
・監督:渡辺 歩
・音楽:久石 譲
・キャラクターデザイン・総作画監督・演出:小西賢一
・美術監督:木村真二
・CGI監督:秋本賢一郎
・色彩設計:伊東美由樹
・音響監督:笠松広司
・プロデューサー:田中栄子
■ アニメーション制作:STUDIO4°C
■製作:「海獣の子供」製作委員会
■配給:東宝映像事業部
■映画公式サイト:https://www.kaijunokodomo.com/
■映画公式 twitter:@kaiju_no_kodomo

(C)2019 五十嵐大介・小学館/「海獣の子供」製作委員会

この記事を書いた人

黒井 日夏
黒井日夏です。秋葉原は土日祝日のどこかで出現しています。最近はぶらりと遠征に出かけて写真レポートをアップしたりします。東京在住。