ADSL最後の日まで使い倒してみた!

2023年1月31日、ついにADSLのサービスが終了する。インターネット回線を高速回線・常時接続へと進化させた立役者であるADSLの最終日の状況を確認してみた。

 

56kbpsから1Mbps時代への転換となったADSL

筆者(黒井)は、1996年ごろからインターネットを使っているインターネット老人会の一人でもあるが、ADSLのサービス開始時はまさに「夢の接続」であった。テレホーダイでは最大64Kbps、23時から8時まで接続金額一定のサービスから、常時接続、1Mbps超通信の転換となったサービスだ。特に「常時接続」は夢のインターネット生活を描く起爆剤となった。ADSLが一気に広がったのがYahooBBのモデム無料配布だ。この配布に関してはいろいろと問題を抱えていたが、各家庭にADSLという常時接続環境が瞬く間に広まった。

現在も利用中のASDLモデム(レンタル)

 

ADSLサービス最終日の速度を計測!

ADSLは電話回線(メタル)を使う為、基地局(交換局)から自宅までの距離で速度が変わるのがポイント。今回は外神田のとある地点から上野局へ接続するルートとなる。Googleのスピードテストで測定した結果はこんな感じ。(2023年1月31日11時時点)

この速度だと普通にYoutubeも見れるので非常に快適。そしてADSLの一番のメリットは「宅内工事が無い」点だった。光回線は終端装置などの設置に特殊技能が必要な為、設置時には在宅する必要があるが、ADSLは装置だけ送られてきて自宅の設置は自分で可能。さらに基地局側の工事はやってくれるので賃貸物件に住んでいる人間にとっては使い勝手の良いサービスだった。

 

ADSLの次のサービスは?

宅内工事をしない、という観点でサービスを探していくとADSLの次に候補となるのがスターリンクだろう。ベランダからだとちょっと厳しい状況はあるものの、宅内工事無しで使えるメリットは非常に高い。ただし屋外アンテナなので室内まで引き込むのにエアコンのダクトを使う以外であれば工事が必要となる点は微妙。また衛星だけに上空が広く開いていないと通信が切れるので使い勝手はイマイチかもしれない。

スターリンクのアンテナ。

光回線はマンションによっては引ける回線が限定され、ホームアンテナでdocomoや楽天モバイルといったところを経由する場合は通信上限(総データ量の制限)が気になるところ。世の中は便利になってきたが、賃貸物件利用者にはなかなか厳しいインターネット回線時代が始まった印象を受ける。とりあえず、ADSLよ、今までどうもありがとう!

 

この記事を書いた人

黒井 日夏
黒井日夏です。秋葉原は土日祝日のどこかで出現しています。最近はぶらりと遠征に出かけて写真レポートをアップしたりします。東京在住。