理不尽に抗う少女の生き様に引き込まれる作品「ガールズバンドクライ」の魅力とは?

2024年4月5日より毎週金曜日24:30から放送開始のアニメ「ガールズバンドクライ」。今までのアニメと異なる作法にて作成されたアニメとの話題が先行しがちだが、その楽曲の魅力、さらには一度は理不尽に出会った人には響くストーリに関して紹介しよう。今期一押しアニメの一角に間違いない!

 

17歳、高校生。上京して新しい物語が始まる!

2024年4月5日24時30分から放送が開始された「ガールズバンドクライ」はすでに視聴されただろうか? 17歳の少女が高校を中退して東京へ出てくる話が第1話のストーリーなのだが、その背景に見え隠れする理不尽でどうにもならない状況に、ちょっと心をえぐられる。そして、その気持ちを切り替えてくれる音楽を演奏するストリートミュージシャンの少女との出会い、自分の気持ちとほかの人の苦悩に触れて自分もさらに苦悩し、ついに吹っ切れる!というところまでが第1話となっている。

第1話最後で絶叫して語り掛けるシーン

高校や大学といった狭い世界だからこそ簡単に起こされるラベリング。一度ついたラベルはその狭い世界では正義であり張られるほうは正義の前に理不尽を背負わされる。狭い世界から逃げてもその心の枷は外れることなく重くのしかかったまま生きていくことになる。10年、20年と年を経てやっと枷が軽くなり「あの頃はね」といえる程度になっていく。その過程のスタートをまさに目の前に見せられる第1話のストーリーは同じ経験をした人間には心抉られる思いだ。この先、仲間を得てどのように生きていくのか、それを見守りたいとともに自分ならどうだったかな、と振り返るのにちょうどよいアニメ作品になっている、と思う。現状第1話しか見ていないのでもしかすると違うストーリーになるかもしれない。でも、それもまた「その人の生き様」であるので見守りたいと思う。

 

 

東京って言っても神奈川じゃん!

上京したての様子に関しては、なかなか的確な表現がされており、つい「あるある」と叫んでしまいたくなる。例えば、「青い電車に乗って横浜方面に行くのよ」と言われて駅に向かったら水色と紺色があって「どっちだよー」ってなるとか、緑の電車が内回りと外回りと書いてあって「上りと下りじゃないの!」とかとか。「東京に住む」といったものの住所が川崎だったり。本作「ガールズバンドクライ」は川崎駅が重要になっている。ストリートミュージシャンと出会うのは川崎駅だ。この背景の書き込み、演出、それらが今までのアニメと違う。このカメラワークと描画クォリティは新しい世界を開く。現実世界にドローン撮影が一般化したくらいに面白いカメラワークが見れるので期待してほしい。特に第1話のエンディングは何度も見たくなること間違いないだろう。現実的な話としてはストリートミュージシャンの路上演奏はNGなので私有地等でやるようにしよう。

 

と、言うわけで「ガールズバンドクライ」は映像のクォリティとカメラワークの魅力と、ストーリーの魅力との二つがお互いに絡み合ってハマり込む作品となっている。順風満帆の人生を送った方にはツマラナイ作品に移ってしまうかもしれないが、一度でも何らかの苦悩をした人であれば、自分の時と比べてみたり、同じ思いを共有したり。きっと心がざわざわしてしまうことだろう。まずは第1話、しっかりと見てほしい。

オープニング「雑踏、僕らの街」

第1話挿入歌「空の箱」

 


【作品情報】

■作品名:『ガールズバンドクライ』
■放送日程:2024年4月5日放送開始!
・TOKYO MX:毎週金曜24:30~
・サンテレビ:毎週金曜24:30~
・KBS京都:毎週金曜24:30~
・BS11:毎週金曜24:30~

■STREAMING:TV放送終了後、毎週金曜日25時から配信!
※配信時刻は予定時刻のため、変更の可能性がございます。詳しくは各サイトをご確認ください
・見放題:
Prime Video/dアニメストア/Lemino/U-NEXT/アニメ放題/J:COM STREAM/mil plus/hulu/ABEMA/FOD/DMM TV/BANDAI CHANNEL
・レンタル:
VideoMarket/カンテレドーガ/music.jp/VIDEX/HAPPY動画/Rakuten TV
■原作・企画・製作:東映アニメーション
■シリーズ構成:花田十輝
■音楽プロデューサー:玉井健二 (agehasprings)
■劇伴音楽:田中ユウスケ(agehasprings)
■キャラクターデザイン:手島nari
■CGディレクター:鄭 載薫
■シリーズディレクター:酒井和男
■CAST:
・理名(井芹仁菜)
・夕莉(河原木桃香)
・美怜(安和すばる)
・凪都(海老塚智)
・朱李(ルパ)
■公式サイト:https://girls-band-cry.com/
■公式Xアカウント:@girlsbandcry
■Xハッシュタグ:#ガルクラ

 

(C)東映アニメーション

この記事を書いた人

黒井 日夏
黒井日夏です。秋葉原は土日祝日のどこかで出現しています。最近はぶらりと遠征に出かけて写真レポートをアップしたりします。東京在住。