今回は秋葉原では無く、少し離れた東京都中央区築地。今年で移転してしまう築地市場を訪ねてみた。今回の案内は当サイトではいつもお世話になっている天ぷら三幸のお父さん。お父さんの案内で初築地市場体験となった。果たして何が見つかるのだろうか?
築地市場は2016年11月7日に豊洲市場へ
築地市場は2016年11月7日に豊洲市場へ移動となる。この下のような写真の姿を見ることができるのもあと残りわずかとなっている。
そこで今回は秋葉原で約60年続いた「天ぷら三幸」のお父さんに案内をお願いし、2016年11月7日に新市場へと移転となる築地市場を訪ねてみた。それではその道中をご覧あれ。
秋葉原からは銀座線で新橋へ向かい、そこからバスで
今回の待ち合わせは土曜日の8:30頃に末広町の駅。無事に出会うことができて、まずは銀座線で新橋へ向かう。
約10分程度乗るとすぐに新橋だ。地上へ出てバス乗り場1番へ向かう。
バス乗り場の1番は築地市場付近を通り抜けるバスルートとなる。今回は場内を見て進むので築地五丁目で下車予定だ。
朝の時間は築地へ向かう人が多いのかバスが余り待たずに到着する。バスは蓬莱橋交差点で曲がり汐留方向へ。バスに揺られていると「以前はここに沿って貨物線があった時代もあったんだよ」とはお父さん。築地市場は時代によって、船、鉄道、トラックへと輸送手段を変えつつ現在にまで至る歴史の一部を垣間見た雰囲気。そんな話をしていると築地五丁目のバス停へ到着。
信号を渡ると場内だ。
築地市場
さて、それでは築地市場の姿を上空からの写真でみてみよう。こちらは国土地理院の空中写真のサービスより転載、加工したものだ。写真上部に昭和通りを微かに写し、曲線の綺麗なラインが何本もあるのが印象深い建築物が築地市場だ。
市場の中では青果、魚を扱い、場外には多数の店舗が商売を行う。交通の便が良い事もあり多くの人で賑わう施設となっている。市場としては他に秋葉原に関連深い所としては太田市場などを始め現在11の卸売り市場がある。(参考:http://www.shijou.metro.tokyo.jp/info/)また立地には歴史が古い事もあり水運、鉄道の利用ができる場所となっているのが特徴的だろう。詳細に関しては東京都中央卸売市場のサイト(http://www.shijou.metro.tokyo.jp/)を参考にすると良さそうだ。
ターレットの行き交う場内!
9時少し過ぎたあたりに青果の方へ足を運んだのだが、場内はターレットトラック(市場などで良くみる丸い筒状の運転席に荷台のついたアレ)が場内をあちらこちらと行き交い、余所見しているとすぐに事故に遭ってしまいそうなくらい。
そんな中、築地5丁目のバス停を下車し場内へ歩いて行くと最初に目に入るのはトマトやキュウリなどの青果部門だ。どの商品も搬出を待つばかりなのか、ラップによってパレットに固定されている商品が目立つ。そして、写真の一部はピントが極一部にしか合っていないモノが多くなるが、市場の邪魔にならないように撮影しつつ移動した為、見ずらい映像となっているがご了承頂きたい。
最近はフィルムによる固定が確立されて、以前ほど手の込んだ梱包は無くなっているようだ。技術の革新は日々進んでいる事を実感してしまう。さて、青果部門は空中写真で言えば左上の部分。この先に見えるのが築地市場というイメージで思い描く鮮魚部門の建物(曲線を描く建物群)に入っていく。
建物と建物をつなぐ構造物も歴史を感じさせる。
向かうは水産物部卸売業者のある方向だ。
さあ、ここからが本番。歩いて行くと天井に大きく「第一大通路」の文字が見える。築地市場には第一大通路から第七大通路の合計7本の大通路があり、行先の目印になっているようだ。実際には第一大通路以降、探す暇もなく目的地までキョロキョロとして見落としてしまった。
こうやって写真で見ると平成の風景ではなく昭和の写真のようだが、2016年6月の築地市場の写真だ。ただし、場内にいる時には活気がありすぎて時代を感じる暇もないのもまた事実だ。
奥へ奥へと進んで行くと、「築地市場」と言えば、という感じのエリアに突入していくことになる。ちなみにこの狭い通路より人一人分くらい人い通路ではターレットが行き来するので余所見は厳禁だ。
多くの商店が並び、観光客も含めると多くの人で賑わう。今回は天ぷら三幸のお父さんが馴染みにしているお店をちょっと覗くことに。
話をしているうちに魚が気になるのか、お父さん、お店の人と話しつつ色々と魚を見ている。
気づくとキンメを購入。この日の大物の一つでなんと1.7kgのキンメだ。
完全に仕入れモードに入ったお父さんはお店の人と話し込んでいるので、お店の色々と魚を見ていると幾つか気になる物を発見。
まずはこちら。江戸前の天ぷらといえば欠かせない「キス」。本当の江戸前天ぷらであれば東京湾のキスを使うのが一番らしいのだが、今回は東京湾以外という事で、お店の人もお父さんへは勧めて来ない。この辺りは長年の付き合いによる阿吽の呼吸だ。
他にも色々と見て回る。こちらは松輪の鯖。もう少し身がふっくらしてくると食べごろという事だ。
これはツブ貝だっただろうか。綺麗な形をしている。
これは太刀魚。サイズは2m以上だろうか。普段見る事がないサイズの魚があるのも築地ならでは。
色々と見ているうちにお父さんの買い物が終了。この日は結局、キンメ、赤むつ(ノドクロ)、赤貝(10個)、アカイカ、それにカマス(6匹)と結構な仕入れに。お店があった当時はこの店で購入した魚が天ぷらや刺身で提供されていたかと思うと、感慨深いモノがある。一通り見て回って場内から場外へ向かう。途中に発泡スチロールの箱があるのは鮮魚を扱う場所ならではだ。
波除神社と魚河岸水神社
築地市場には神社がある。それが「波除神社」だ。その由来等は波除神社のサイト(http://www.namiyoke.or.jp/)をご覧いただ句と良いだろう。そしてもう一つ、「魚河岸水神社」がある。こちらは神田明神に本殿があり築地市場には遥拝所があるという事で、実は秋葉原ともちょっと関連があるというのが面白い。天ぷら三幸のお父さんから簡単に教えて頂いた話だが、普段では気付かないこういう話が非常に楽しい。
場外は観光客でいっぱい!
さて、場外へと進んでいくと土曜日という事もあり観光客で一杯。修学旅行生や外国人ツアー客、それに日本人と買い物すら満足にできないような人混みだ。これも2016年11月7日までかと思うと少し思うところもある。
昭和通りに並走する小道に入るとまさに進むも退くもできないような状態。
そんな中、お父さんの馴染みの店があったようで早速品定め。お店の人が「三幸さん、久しぶり」と声を掛けてくる。お店を辞めて既に半年以上経過しているが、長い月日の繋がりはなかなか消えない。
そんなこんなで表通りへやっと出て来て一息。ちょっと疲れてしまったのでバスで新橋まで戻る事に。
知ってた?場内にバス停があるって!
それでは新橋までバスで戻ろう、という事でお父さんに付いて行くと再び場内へ向かう。「あれ?そっちにバス停は無いですよ!」と言い掛けたらバス停を発見! こんなの一見様じゃ発見できないよ!
何だ、このダンジョンの中で見つけたセーブポイント的な気持ち。次のバスまで約10分というのも本数が比較的多くて便利なのも、嬉しいんだけど「えー」って言いたくなる気分。無事秋葉原まで戻ってきて今回の築地ツアー(?)は無事終了。お疲れさまでした。
【関連リンク】
■東京都中央卸売市場:http://www.shijou.metro.tokyo.jp/
■築地場外市場:http://www.tsukiji.or.jp/
■波除神社:http://www.namiyoke.or.jp/
■案内人:天ぷら三幸 お父さん
おまけ
購入した魚たちの一部を公開。これらがその後刺身となって出てくるのだから嬉しい限りだ。