「第39回火の国まつり」開催時期の熊本市の今を見てきた!

zp_P8070175311の防災の日でついつい東北ばかりに目がいってしまうが、熊本、鳥取と2016年も地震は日本各地で、震度5強以上の強度を持って襲っている。今回は2016年8月に熊本を訪ねた際の写真を元に、今なお頑張っている人々が全国にいることを思い出して欲しい。それでは、2016年8月の熊本の様子をみていこう。

 

「第39回火の国まつり」開催の熊本市を訪ねて

今回訪ねたのは2016年8月6日夜〜翌7日の午前中頃までの短い期間だ。他の用事のついでに少し見て回ったが、大きな被害、小さな被害といたるところに跡がある。今回発生した熊本地震は幾つかの地震の集合体ではあるが、そのうちの2016年4月14日、16日と大きな地震が2回続けて発生した事により家屋等に大きな被害を出しているのが特徴だろう。その最も特徴的なのが「熊本城の石垣の崩壊」している様ではないだろうか。

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そんな訳で、急遽別件もあり東京から福岡経由で熊本入りした。現在はやっと家の解体が本格的に始まっているということだが、2016年8月時点ではビニールシート等で雨風を凌ぐ生活なのか街の家々には青い色が多く見られた。

復興したように見えるが、熊本地震は震源が浅い事もあり多くの地域では「日常」に戻っているが、震源に近い地域では「日常」に戻れない状況が続いている。地域が狭いこともあり東京では東北ほど報道されない西日本の現地の様子を知って欲しい。それでは現地入りの様子から順にレポートしていこう。

 

1日目:熊本市街地と震災の影響

今回、急遽熊本行きを決めた為、政府主導の「ふっこう割」などのサポートは使用出来ずに向かう事となった。その為、今回使用したルートはスカイマークの福岡便だ。九州には各県にほぼ1つ空港が存在するため、時間と予算を検討してルートを決定すると良いだろう。今回は羽田から福岡を経由し、九州新幹線で熊本入りをすることにした。

 

震災時は普通となっていた九州新幹線も全線開通し、熊本までも九州ネットきっぷというインターネット予約販売システム上から購入することで片道がかなり安く購入できる。

そして熊本へ到着。新幹線コンコース内にはくまもんが観光客を迎えてくれる。

ところで到着した日は2016年8月6日。この日は熊本市街で開催される「火の国祭り」の最終日と言うことで、震災から経過した時間は短いが弱音を見せない肥後もっこすな気質を見た気がする。

おてもやん総おどりの為に市街地の路面電車(市電)は運行中止となっており、熊本駅からホテルまでは途中徒歩となるようだ。

これまた古い車両が来た。内装が木の随分と年代を感じる車両が使われている。

運行中止区間の駅になる辛島町で下車し、新市街、下通を経て鶴屋デパート前の通町筋から再び乗車することになった。

さて、新市街から見ていくが震災の影響はそこまで見ることができなかった。アーケードもそのまま、路面も気になるところもなく至って日常の風景だ。祭りの為に人通りが多いくらいだ。

このまま進み、新市街と下通の交差するところまで来る。

震災が嘘のような「何も変わらない」風景だ。このまま下通を抜けていく。

途中の「まけんばい熊本」の標語がここで地震があった事を伝える。熊本市内はそこまで被害がなかったようだ。それでは今回宿泊したホテルまで市電で移動していこう。

ホテルに到着するが外壁は作業中のようで足場が組まれていた。震災発生時にはホテルもほとんどが営業を中止するなどしていたが、2016年8月時点ではおおよそ通常営業に戻りつつあった。

 

2日目:熊本城の被害

さて2日目は被害の象徴とも言える熊本城の様子を見に行ってきた。ホテルからは市電で向かう事に。

市電の中で見つけた広告。辛島みくは鉄道むすめのキャラクターだ。こういう広告を見つけてしまうのが秋葉原PLUSらしいといえばらしいかも?

市役所前で下車すると、そこには色々と崩壊したお城の様子が目に飛び込んできた。

 

市役所前にお城があるのでここからお城の周りを少し見ていこう。

掘りの周りだからか、路面がひどく乱れている。昨晩は気づかなかった震災の爪痕だ。

それでは少しお城へと周りを進んでいこう。まずは近くの熊本城稲荷神社。鳥居にクラックが入っている。

神社の先では崩壊した石垣とその上にあったであろう建造物の残骸がまだ残っていた。

少し回り込むと裏手を見る事ができたが、大きな石がゴロゴロと落ちている。

上通り側のビルを見るとビルの周りに落下防止なのかネットが貼られている。

熊本大神宮はほぼ立ち入り禁止で道路の脇に賽銭箱が置かれているような状況だった。

これ以上はちょっと時間の関係で廻れなかったのだが、市内を見ると震災の影響はほぼ確認できない。今回の熊本地震は局地的に大被害が出ているのが東北との大きな違いのようだ。

 

住宅街の被害状況

今度は震源の益城に近い熊本市東部の住宅街を訪ねてみた。こちらにはちょっと縁があり今回の震災の常用を見せていただく事になった。

街を歩くといたるところにブルーシートや立ち入り規制を示すカラーコーンが目につく。

震災から約4ヶ月(撮影時)を過ぎようとしているが、ほとんど手付かずの状態だ。市内の状況とは全く異なる。現在(2017年3月)ではこの地域も取り壊しが進んでいる状況、という事だ。今回、被害にあった1軒の家の中を見せて頂いた。この地域は熊本市内だが震源に近い地域であったため、倒壊こそ免れたが被害は甚大。どの家も「倒壊の危険あり」の赤い紙か黄色の紙が貼られている。

こちらの家の外壁は1度目の地震ではまだ大丈夫だったようだが、2度目の地震で完全に崩壊したとの事だ。上記写真の面の壁は全て落ちているのだが90度異なる角度の壁はほぼ被害が無い。1方向に大きな力が働いていたようだ。

「危険」の赤い張り紙が目に止まる。

モルタルが落下して瓦礫となっている。

こちらは玄関の前の柱。木造のためか芯の柱は残っているが周りは崩れ落ちている。

柱の天井部。ビニールシートが飛ば無いように紐で抑えてあるようだ。

玄関から内部へ。すでに仮住まいへ転居済みという事で家具等は無い。その為か壁の被害が良く見える。

こちらは玄関の壁のちょうど反対側の壁。綺麗に外が見える。

こちらは玄関から見えたモルタルの落ちていた壁の裏側。天井や石膏ボードがそのまま落ちている。

そしてアルミサッシのクレセント(鍵)の部分は震災時の揺れでこのように崩壊したとの事。地震の強さが残した物証なのかもしれ無い。

少し場所は変わるのだが、先ほど中を見た家より震源から少し離れた地域。上から見ると青いビニールシートが幾つも見える。まだまだ震災の影響から抜けれ無いのだ。

3.11がよく取り上げられるが、今回熊本の状況を見ると「局地的被害」さらには「市街地などは比較的無事」という事もあり地震が無かったかのように忘れ去られているが、東北震災と同じように、いや、発生して1年が経過しようかという「最近」の話として認識していただければと思う。今回は熊本震災の地域を見てきたが、鳥取も同様に地震から1年経過したくらいであり、こちらのサポートも東北以上に忘れ無いように「なにか」をしていただければ、と思う。

【震災データ】
■災害名:熊本地震
■発生日:2016年4月14日
■最大震度:7
■寄付等:
平成28年熊本地震義援金の受付期間延長について

【震災データ】
■災害名:鳥取県中部地震
■発生日:2016年10月21日
■最大震度:6弱
■寄付等:
平成28年鳥取県中部地震災害義援金の募集

※寄付等に関してはそれぞれ熊本県鳥取県などの行政のサイトでご確認ください。