映画『アルピニスト』8月11日の山の日を機に知られざる天才クライマーマークの生き様に触れる…

映画『フリーソロ』以来の壮大なスケールと迫力に満ちた驚くべき新たなアルピニストのドキュメンタリー映画『アルピニスト』。202年8月11日は山の日だったが、山の日も過ぎた夏真っ盛りの子の時期に、知られざる天才クライマー、マークの生き様に触れてみよう。

 

山の日を機に改めて見る「アルピニスト」

米アカデミー賞で長編ドキュメンタリー賞を獲得した映画『フリーソロ』以来の壮大なスケールと迫力に満ちた、驚くべきアルピニストのドキュメンタリー映画『アルピニスト』が全国公開中。『フリーソロ』の主演・アレックス・オノルドが「彼はクレイジーだ!」と語るなど、世界的アルピニストのレジェンドたちからも一目置かれている、命知らずの若きアルピニスト。彼の名前はマーク・アンドレ・ルクレール。そんな知られざる若き天才に密着したドキュメンタリー映画が『アルピニスト』だ。

 

命綱無し、たった独り 前人未到の挑戦

世界でも有数の岩壁や氷壁、数々の断崖絶壁を、命綱もつけず、たった独りで登る無謀なフリーソロという登山スタイルを貫いたマークは、SNS社会に背を向けながらも、不可能とされていた数々の世界の山脈の難所に挑み、次々と新たな記録を打ち立てていく。だが、そんな偉業を成し遂げながらも、名声を求めない彼の性格から世間的な知名度はほぼ皆無――。本作には、思わず目もくらむような崩れ落ちそうな岩と氷の断崖絶壁をものともせず、命綱をつけずにたった独りで頂点を目指すアルピニストの姿が収められている。普段、なかなか見ることのできないような雄大な自然を背景に、体力と精神力の極限に挑むマーク。そんな彼の驚くべきフリーソロというクライミング・スタイルに、思わず手に汗握る作品だ。

本作の主人公であるマーク・アンドレ・ルクレールは、SNSでのアピールにまったく興味を示さなかったということもあり、その偉業を知る人はごくわずか。皮肉なことに、この登山界の輝ける天才がどのような人物だったのか、世間が知ることとなったのは、2018年3月にアラスカ州ジュノー北部で、マークがわずか25年という若き生涯を終えた後のことだった。

マークの訃報が飛び込んだ時は、本作『アルピニスト』は完成直前という段階だったという。本作のメガホンをとったピーター・モーティマーとニック・ローゼンは映画制作を諦め、マークという青年の輝きに満ちた人生を悼む日々を送っていたという。だが時は過ぎ、マークの良き理解者である母親のミッシェルと恋人でありクライミングパートナーのブレットや周囲の人たちから、アルピニストとして生きた彼の思い出を残してほしいとの声を受けて、本作の制作を再開。マークの好きなことへの情熱や不屈の精神、そして彼の愛した風景など、彼の遺したレガシーを映画に刻みつけ、そして観客と分かち合うにはどうしたら良いか、そうしたことに心を砕き、ついに映画を完成させた。

恋人のブレットも「フィルムに収められた映像記録の数々を見たらきっとエキサイトしたに違いない」とマークの思いを代弁する。そして「映画を観た人がマークのことを知り、彼の魂を感じてくれることを願っている」と期待を寄せていた。実際に映画を鑑賞した人たちの間からは、マークの驚くべき人生、哲学などに触れ、多くの驚きの声、感動の声が続々と寄せられている。マークの魂は死してなお、多くの観客の心に刻まれることとなったのだ。

くしくも日本では毎年8月11日を国民の祝日「山の日」と制定している。「山に親しむ機会を得て、山の恩恵に感謝する」ことを趣旨としたこの日。この機会に、山を愛したマークの生き様に思いを馳せてみてはいかがだろうか? この夏、私たちは知られざる天才クライマー、マーク・アンドレ・ルクレールの新たな伝説を目撃する。

 


■タイトル:『アルピニスト』 (原題:『THE ALPINIST』)
■出演:マーク・アンドレ・ルクレール、ブレット・ハリントン、アレックス・オノルド(『フリーソロ』)ほか
■監督:ピーター・モーティマー、ニック・ローゼン
■制作:レッドブルメディアハウス
■配給:パルコ ユニバーサル映画
2021年/英語/アメリカ映画/G/93分/ビスタ
■公式HP:https://alpinist-movie.com/
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