今回は9月の連休の話ではあるのだが、長崎県にある端島、通称「軍艦島」と呼ばれる島へ上陸してきたのでその様子をお伝えする。秋葉原とは全く関係ないが、廃墟好きにとってはまるで夢の島のような一時が過ごせること間違いなしだ。
上陸できるかは運次第!
今回上陸にチャレンジしたのは9月の連休の最中。実は連休という事もあり8月時点で予約が一杯だったのだがその後空きが出て今回の上陸となった。まずは長崎港を見ていこう。
長崎県は多くの諸島を持つ為、港が人で溢れている。まるで東京駅の銀の鈴の前にいるような感覚に陥りそうなくらいに活気がある。ここから、ばらかもんの舞台の五島へも船が出ているのだが今回は端島(以降、「軍艦島」と記載。)へと向かう観光遊覧船の受付へと向かう。
軍艦島へは2通りのコースが準備されている。今回はやまさ海運株式会社(http://www.gunkan-jima.net/)の運行するコースを利用したが、他にも何社か運行している。港や運行会社で料金や時間も異なるので、うまく合わせて利用したい。予約は13時の2便。時間近くになり桟橋へ向かうと長蛇の列が!
軍艦島への上陸は、波が高い場合や風が強い場合など上陸できない事がある。元が炭鉱という事もありお客様を運ぶような桟橋がない為、波が10cmも上下すればまともに上陸する事すら出来ないからだ。ちなみに、今回お願いしたやまさ海運株式会社では上陸率というのを公表している。(http://www.gunkan-jima.net/wp2013/wp-content/themes/yamasa/images/common/graph.pdf)これを見ると大体どの月も平均すれば1割程度は上陸出来ないようだ。必ず上陸できるわけではない、という事を心に刻んで軍艦島ツアーは計画しよう! この日のマルベージャ3はほぼ満席、というわけで約200名の乗船を待って出発となった。
上陸必要セットはこれだ!?
さて、軍艦島の上陸に際して注意すべき点がいくつかある。まずは軍艦島にはトイレの設備はない。その為、上陸前に船の中で済ませておこう。また軍艦島の見学コースには日陰が少ない為、9月という秋の季節にもかかわらず麦わら帽などがあると非常に助かる。暑さ対策としては水分も持って行くほうが良いだろう。さらにはゴミは島には捨てない事などなど。船の中でしっかりとアナウンスがあるので良く聞いておこう。
ちなみに、麦わら帽は先着順ではあったが借りる事ができたので今回はこれを着けての上陸となる
もちろんパンフレットや上陸時に必要なチケット類は無くさないようにしておこう。
ちなみに軍艦島の上陸クルーズのパンフレットの一部は見る事ができるので、気になる人は事前に見ておくのも楽しいぞ。(パンフレットの一部:http://www.gunkan-jima.net/wp2013/wp-content/themes/yamasa/images/download/pdf/panf.pdf)船の中には軍艦島の写真や当時の様子をまとめた映像などが流れている。もちろん海自体を見て楽しんでもOKだ。
長崎港を出るまでは、150トンハンマーヘッド型起重機など歴史的な建築物や造船の様子、行き交う船などを見ているだけで楽しくなるシーンが一杯だ。
長崎港を出て約40分、見えてきた島が軍艦島だ。下の写真では左側の島が軍艦島だ。
軍艦島へ上陸!
軍艦島が見えてきたがなかなか近寄らない。少し遠目から島を観察してみよう。
島の端には廃墟となった建物の上に緑地を確認できる。今度は上の写真の左側にある建物をアップで見てみる。屋根は木で出来ていたのだろうか、朽ちてなくなっている。コンクリートは長い間潮風に晒されても比較的残っているようだ。
そろそろ上陸できる場所に近づいてきた。島が大きく見えてくる。
こちらは石炭を積み出していたスペース。今でもコンクリートの構造物が残っている。
見てもらえばわかるが、浮き桟橋では無い。そして防波堤等も無いので波の影響を直接受けてしまう立地となっている。その為、波が少しでも荒かったり風が強いと接岸出来無い、または接岸できても上陸出来無い状況が発生してしまうのだ。この日は比較的波も穏やかで無事上陸する事ができた。
軍艦島ガイドが語る繁栄の日々と現在の姿
軍艦島に上陸すると3名のガイドが各見学スポット3箇所で当時の様子などを踏まえながら幾度となく繰り返したであろう口上を聞かせてもらえる。聞いていると「へぇー」「なるほど」「そんなに!」「わー!」といったような声が周りから聞こえてくる。
さて、上陸したので順番に見ていこう。まずは接岸した場所からほど近い部分が崩壊しているのが見えるだろうか?
こちらは台風で近年壊れた場所らしい。今でも現役で堤防として活躍している古い部分は明治時代ということだが、その部分は今でも堅牢な防波堤として存在しているということだ。さて、上陸してすぐに見えるのは船の中から見た島の上のビルだろう。
Hのような形の構造物が続く先には、船から見た屋上に緑地があるビルが見える。このビルの最上階には幼稚園があった、との話だ。 望遠を一杯にして見ると、今でも緑が生い茂る場所となっている。
そして目をビルの窓に移せばガラスの崩壊具合などもあり、タイムスリップしてきたような気持ちになってくる。
さて、島の上を見ると建物があるが、こちらは幹部向けの住宅ということだ。
隣には軍艦島を示す為の灯台が設置されている。電力は供給されてい無いので太陽光によるソーラー発電での無人灯台とのことだ。
灯台の右側にあるのが給水塔だ。奥手には先ほどの幹部の住宅がある。給水設備なので配管がまだ残っているのが印象的だ。
軍艦島では観光できる場所は3箇所限定だ。滞在時間は非常に短い。その為、移動中も写真を撮りたくなるが、邪魔になら無いように、団体行動の妨げになら無い程度に素早く撮影するように心がけよう。こちらはスポット2から3へ移動する最中にある岸壁だ。これは見てもらうとわかる通りコンクリートではなく石と水を通さ無い土を固めてできた軍艦島ができた当時の最初の堤防とのことだ。
奥にはその後作られた堤防もあり、順次拡張されていった事がわかる場所となっている。
そして、昔はここから海底ケーブルで電力を一部供給していたとの事だ。ゲーブルは今でも放置されているが、電気はすでに供給されていない。
さらに進んでスポット3の小学校のあったあたりにくると、ずいぶん開けている。軍艦島において真水は重要な資源なのだが、こちらはプールがあったとの事だ。ただし海水。
そして、軍艦島が軍艦島と言われる由来『その島の形が軍艦「土佐」に似ていた』とされるのが、住居スペースが立ち並ぶ、石炭の積み下ろし側では無い部分だ。
こちら側は台風の日には波が屋上まで上がりビル内に海水が入り込んできた事もある、と言われるほどの荒れ具合なのだが、軍艦島はそもそも石炭産出の為の島。石炭の積み下ろしをする側は荒れにくい海を使い、人が住むのはその逆側という事だったようだ。船から見るとこのような形となっている。
軍艦島では多くの写真を撮影してきたので一気に紹介してしまう。同じような場所も多いが、撮影スポットが限られている関係上どうしても同じになってしまう。一部帰りの船の中から撮影した写真があるがガラス越しの為全体的にぼやけているのはご了承いただければ幸いだ。
東京から長崎まで行く事が少ないとは思うが、この軍艦島は一度見ておくべき廃墟だと思う。必ず上陸できるわけでは無い点も含めて難しいとは思うが、一度は是非訪ねて見てほしい。
【詳細情報】
■ツアー名称:軍艦島上陸周遊コース
■運行会社:やまさ海運株式会社
■金額:¥4,200+長崎市施設使用料¥300
■備考:波の状態などにより上陸でき無い場合があります。その他誓約書の記載などが必要です。詳細は運行会社のサイト(http://www.gunkan-jima.net/joriku)でご確認ください。
■サイト:http://www.gunkan-jima.net/
【軍艦島情報】
■島名:端島(通称「軍艦島」)
■住所:長崎県長崎市にある島
■関連サイト:
・ながさき旅ネット:http://www.nagasaki-tabinet.com/
・明治日本の産業革命遺産:http://www.kyuyama.jp/
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