ヲターヘル・アナトミアの本編第1弾。そもそもなぜヲタが変わり者と扱われやすいのか、その根本的な話に入る。序章ではそれを、卓越する「脳力」として頭脳明晰性という才能が裏目に出た結果がヲタへの偏見を生んでいると書いた。今回は「感性」という切り口でせまる。
感じやすい。
オタクは引きこもりが多いとはよく耳にする。ヲタ本人が自虐的にインドアで内向的であることを表現するスレッドも少なくない。
一見外交的なアーティスト気質のヲタも、休みの日などは家でずっとゲームかアニメ、というケースがほとんどであろう。
これにはもちろん説明可能な背景がある。
ヲタは繊細で敏感な感覚の持ち主なのだ。
感覚が繊細だと傷つきやすい。独り身が多かったりリアルな恋愛を避ける傾向が強いのも、傷つく恐れが根本にあるからである。モテないというのは本当は嘘なのだ。本人がそもそも慎重なのだ。
感覚が敏感だと、うるさい外的環境や雑多な人間の言動をキャッチしやすく、すぐ疲れてしまうのだ。
おそらく「アキバは好きだけど人混みがねえ…。」という人も、今読んでいる方は多いはず。(笑)
人混みが苦手。人の愚痴や干渉にすぐ疲れてしまう。外に出ると体がだるくなる。
ヲタはそういう人ばかりだ。だから家にいることが必然的に多くなる。ごく自然の習性なのだ。
諸刃の剣『感性』を使い極めろ
では感覚が繊細で敏感なヲタはやはり社会不適応が多いのだろうか…。
正解は50%Yes、50%No だ。
たしかに上記のことがあるので、社会に対し生きにくさを感じるヲタが多いのは事実だと判断してよいと思う。それはインターネットやニュース、実際に会うヲタと話をしていても十分に感じ取れる事実なのではないだろうか。
生きにくさというほどではなくても、社会への怒りや不満を抱え、割り切ったり我慢したりして生きているヲタも同様に多いようだ。だからこそ、某ヲタ向け掲示板サイトで、過激で乱暴なスレッドを立てる人が多かったり大炎上で話題になったりするのだろう。それだけストレスを溜め込んだり不満を抱えて生きているのだ。きっと。
では残りの50%のNoは…?
諸刃の剣は自分を傷つけたり予測の難しい傷害が起こってしまったりなど、大きなデメリットもあるが、同様に大きなメリットもある。
それは、社会不適応である代わりに、社会以上の非凡さを発揮していける能力だ。
大げさに言えば天才気質ということ、控えめに言えばマジョリティと変わっているからこそそれを才能としてリーダーシップを取っていけるということ。
「自分が非凡だと…。考えられないあり得ない。」
と、思うヲタ当事者も少なくないと思うので、次回からその諸刃の剣について一つずつゆっくりと解説していこうと思う。きっと回を経る毎に、「ああ…なるほど…。」と納得していただけるはず。
ヲタの大きな特徴の一つに、「自分に厳しく自分に自信を持ちにくい」というのもあるので、このシリーズで自分を客観的に知り、自分を褒めて自分に自信を持つことも知ってもらえたらと著者は考えている次第である。
そして非ヲタの人が偶然これを読んで、ヲタの魅力を知ってもらえたらもっと著者は嬉しい。
ヲタの解剖、次回からさらに深くメスが入る。
この記事を書いた人

- コミュニケーションハッカー。新時代のゲームPHEAlosophy(フィーロソフィー)研究所、AkibaColoursで『日本のサブカルチャーが人の心に与える影響』について日々研究している。あらゆる心理セラピー、自己啓発、コーチングに静かなる反旗を翻す『カラーチャット』というゲームの提供も行っている。普段は秋葉原の神田明神すぐ裏でひっそりと暮らしている。HP→http://akibacolours.main.jp
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