秋葉原のうな丼でぎなう!

こんにちは!新人ライターのいずみんです!今年の夏も暑い日々が続いていますが、気をつけたいのが夏バテ対策です。皆さんは秋葉原にウナギの美味しい店があることを知っていますか?土用の丑の日も近いですし、今日はアキバのウナギの店を紹介したいと思います。アキバで(・∀・)ぎなう!

 

土用の丑の日にはウナギを食べるべきなんだよ!

土用の丑の日・・・この日になると一躍脚光を浴びる食材があります。

そう、ウナギです。いやホント、この時期になると江戸っ子はウナギが食べたくてしょうがないですよ・・・。

しかし近年、某有名料理マンガの影響でこういう風に言ってくる勢力があります。

「知ってます?ウナギの旬って夏以外なんですよ?
元々は平賀源内が夏に売れないウナギ屋のためにキャッチフレーズを考案して・・・」

何回この言葉を聞いたことだろうか・・・いや、その説間違っていますから!!!

平賀源内説の概要

江戸の天才学者として名高い平賀源内が、夏場はうなぎが売れないので何とかしたいと相談された。
源内は元々あった『土用の丑の日』は「う」のつく食べ物を食べて無病息災を祈願するという風習を利用し、「本日、土用丑の日」と書かれた看板を出すことを提案したところ店は大繁盛。これを他の店も真似しだした。このことは文政年間に発行された当時の風俗をまとめた『明和誌』にも記されているという。

というのが現代の通説ですが、これはまったくの根拠不明な俗説であります。

たしかに件の『明和誌』には「暑中と寒中の土用の丑の日に鰻を食べる風習が安永・天明の頃から始まった」と記されています。国会図書館デジタルコレクションで本書を確認しましたが、ウナギが売れないからとか平賀源内という記述は一切ありませんでした。

また、万葉集にも

石麻呂に われ物申す 夏痩せに 良しといふものぞ 鰻取り食せ (大伴家持)

※意味:痩せてしまった友人の石麻呂にあえていう。ウナギを捕って食べなさい。ウナギは夏痩せに良いと言うよ。

とあり、大友家持の時代にはもう夏にウナギを食べる風習があったことをうかがわれ、「夏場はうなぎが売れない」という話と矛盾します。

平賀源内は安永の頃の人ですが、『明和誌』に記述されている冬の土用もウナギを食べていたというのは興味深いです。このほか、春木屋善兵衛説、蜀山人説とありますが、3者とも根拠とされる文献と共に由来が紹介されてはいるものの、実際にはそのような記載は一切ありません。

 

夏でもウナギは美味い!

でも、ウナギの旬は冬なんでしょう?
わざわざ高いお金を出してまずいウナギを食べる必要はないのでは?という意見があります。

たしかにウナギの旬は晩秋から初冬にかけて、しかしこれは天然モノの話です。天然のウナギは寒くなると冬眠する生き物。秋から冬にかけて栄養を蓄え、水温が10度になるとえさを食べなくなり、水温が8度になると泥の中で冬眠します。
結果、天然ウナギ漁(漁期は5月から12月まで)が解禁したばかりの頃のウナギは冬眠から起きたばかりで脂が落ち切っているので初夏の天然ウナギは美味しくないことが多いのです。

しかし、結論から言わせていただくとそれは天然ウナギに限っての話。養殖ウナギに旬は関係ないのである。

26~30度というあたたかい水槽の中でたっぷりのえさを与えられ育つ養殖ウナギは、季節による品質のぶれが少ない。だって冬眠しないのだから。

むしろ養殖ウナギはオールシーズンが旬と言っても良いでしょう。

「夏のウナギは脂が落ちていて食べられたものではないね」と語る諸氏は、天然モノのウナギしか食べたことがないよっぽどの食通だと思われます。

 

スタミナ食としてのウナギ

元来、『土用の丑の日』は「う」のつく食べ物をたべるのが良いとされ、梅干し、うどん、瓜(転じてスイカやキュウリ)を食べていた時期もあったようです。

食文化が多様化した現在、牛も「う」のつく食べ物なので焼き肉でも良さそうだと思っていた時期がありました。

しかし牛よりウナギが優れている点があります。滋養です。

栄養学的観点では、スタミナ(持久力)をつけるにはタンパク質だけでなく栄養価が高いものを摂取することが必要とされます。

ウナギにはたんぱく質の他、ビタミンA・B1・B2・D・E、カルシウム、鉄分など様々な栄養が豊富に含まれています。

ウナギ単品でこれだけの栄養が摂れるというのは、暑くて食が細くなっている夏にはありがたく、夏バテ防止としてこの時期にうなぎを食べるのは理にかなっているのです!(焼き肉だったらお肉の他に野菜も食べないといけません)

きっと昔の人も夏バテ防止効果を実感したことから、冬の土用のうなぎは廃れても夏の土用のうなぎは風習として残ったのではないかと思われます。

 

アキバで(・∀・)ぎなう!

というわけで、我々秋葉原PLUS編集部はこの夏の酷暑を乗り切るため秋葉原にあるウナギの老舗『うなぎ 久保田』に突撃しました!
皆さまご存知のとおり、秋葉原にはかつて神田青果市場(やっちゃば)があり、今も食料品に関係する問屋が残っております。この久保田さんは明治時代から続く川魚問屋でもあり、日本全国の鰻生産地からその時いちばん美味しいと思われる養殖鰻を取り扱っているというお店。

養殖ウナギ・・・つまりオールシーズン旬、夏でも美味しいウナギが食べられるお店であります。
更に『うなぎ久保田』さんは店舗から道路を挟んで向かいにある離れの建物にて組み上げた地下水にウナギを1〜2日ほど入れて泥抜きをしております。つまり道路の向かいからウナギを出荷、2秒でお店に到着!鮮度は抜群でありましょう!

 

限定のうな丼を食す!

さて、この『うなぎ 久保田』さんには限定のメニューがあります。それが1日20食限定のうな丼!(1,600円)

うな丼というと、うな重の下位互換と思われる方もいるかもしれません。久保田さんでも値段的にはうな重は2,700円からです。しかしうなぎ屋さんは基本的に仕入れが一本のため、「松竹梅」でウナギの質を変えることはなく、基本的にウナギの量で調整します。うな丼だからといって味は変わらないのです。

さらにうな丼の方が優れている点もあります。それがホカホカごはんです。

最近は差をつけない店も増えてきましたが、うな重とうな丼の一番の差は危険なくらいに熱々なごはん!元来、うな丼はウナギの蒲焼が冷めないように炊き立ての飯に挟んで提供したことがはじまりといわれ(ごはんの熱さで蒸されたウナギがふっくらしたことから江戸前のウナギは蒸しの工程が加わったとの説もある)、久保田さんのうな丼は昔ながらの激熱なホカホカごはん。

ごはん好きにとってはうな重よりもうな丼なのです。
ホカホカごはんと共に出てきたうな丼さん。これを冷めないうちに間髪入れずに口の中にかっこむと・・・

熱くて美味い!

さて、このうな丼は安くて美味しいのですが、うな重定食と違って肝吸いがついてきません。(お新香はついてくる)
お吸い物も食べたいという場合は、
200円のお吸い物(※うなぎの肝は入っていません)か
900円の肝焼き(一串)を追加で頼むと良いのではないかと思います。

うな丼はあっさりとしてますが、肝焼きの方はウナギの身もついてこってりとした味付けなので両方食べればかなり満足感が得られると思います。

それでも物足りないという方はうな丼ではなくうな重を頼むのが良いような気がしますが、ここでいつもの秋葉原にちょっとプラスな情報!

地元の『うなぎ 久保田』常連客のお姉さんに教えていただいた、オススメの一品料理「柳川鍋」(ドジョウ鍋)です。
川魚問屋だけあり、久保田さんではウナギの他に鯉やドジョウもメニューに揃えております。そのなかでも柳川鍋はオススメということで注文。

どぜう(・∀・)ウマシ!

うな丼と一緒に頼むとまず柳川鍋が登場、あとは店員さんにお願いすると好きなタイミングでうな丼を運んできてくれました。

 

うな丼はニコニコ現金払い!


最後に、久保田さんでうな丼を頼むにあたり一点だけ注意があります。

久保田さんのうな丼はあくまでサービス品なので、注文の際は現金でお支払いをお願いしたいとのことでした。

確かにクレジットカード決済は手数料がかかるのでサービス品にさらに手数料がかかるというのはお店にとって負担になると思われます。

このうな丼を長く続けて貰うためにも、うな丼を頼むときは現金を握りしめて来店したいものですね。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!(和)

 

【店舗情報】
■店舗名:神田 うなぎ久保田
■郵便番号:101-0021
■住所:東京都千代田区外神田5丁目6−9
■電話番号:03-3831-6082
■営業時間:11:00~15:00 17:00~21:00
■定休日:日曜祝日(丑の日周辺は営業日変更)
■URL: https://www.unagi-kubota.jp/

この記事を書いた人

和泉 宗吾
和泉 宗吾
和泉宗吾@いずみん
千葉県在住の週末都民。フリーライター兼、野生のプロデューサー。美味しいものを求め東奔西走。秋葉原プラスで記事執筆のほか、企画や催事等のお手伝いをさせていただいております。よろしくお願いいたします。